第29回日本脳低温療法・体温管理学会学術集会
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会長挨拶

 
第29回日本脳低温療法・体温管理学会学術集会会長

第29回日本脳低温療法・体温管理学会学術集会
会長 末廣 栄一
国際医療福祉大学成田病院 脳神経外科 教授

 
 

この度、第29回日本脳低温療法・体温管理学会学術集会を2026年7月4日(土)-5日(日)の日程で、国際医療福祉大学 東京赤坂キャンパスを会場とし開催させて頂く運びとなりました。これもひとえに皆様方のお力添えの賜と心より厚く御礼申し上げます。

第1回日本脳低温療法研究会が開催されたのが1998年です。私の大学卒業年が1996年ですので、私のキャリアは脳低温療法と共に歩んできたと言えます。1993年に頭部外傷に対する脳低温療法の有効性が報告されて以降、多くの基礎研究、臨床研究が活発に行われ、我々は多くのことを学びました。しかし、2001年にCliftonらによって、その有効性が否定され、タイミングを見計らっていたかのように、2002年に心停止後症候群への有効性が報告されました。それ以降、院外心停止自己心拍再開後の標準的治療として普及しています。その後、本療法における適切な体温管理法について詳細な検討がなされました。本療法の名称が脳低温療法から体温管理療法へと変更され、その概念が“脳を冷やす”ではなく、“体温を管理する”と変化しました。

体温管理の目的は脳保護です。まさに脳指向型のチーム医療を以て重症神経疾患の二次性脳障害を抑制し転帰改善を目指します。体温管理の方法論が熟成してきた今でこそ、再度、脳で何が起こっているのか?何をしたら脳を保護できるのか、包括的に脳の病態を考えてみたいと思います。そこで、テーマを『脳再考』とさせて頂きました。本学会にて、再度、脳の病態を考察し適切な体温管理を以て最高な脳を維持したいと思います。

本療法の対象患者は、心停止後症候群や熱中症、小児急性脳症のみならず、まだまだ頭部外傷や脳卒中にも効果的な報告がみられます。神経集中治療を以て、これら疾患の転帰改善を目指すためにも、救急科や集中治療科、小児科、脳神経外科、脳神経内科の先生方の連携が重要です。さらにチーム医療のメンバーとして看護師や臨床工学技士、薬剤師、栄養士など多職種連携も求められます。本学会は、皆が患者さんに向き合って議論できる場にしたいと思っております。ぜひ、より多くの皆様にご参加頂ければ幸いです。何卒よろしくお願い申し上げます。